双極性障害(躁うつ病)
ってなに?

 

 
双極性障害は、同じ人なのに、まるで別の自分が登場してしまう脳の病気です。ある時はエネルギッシュで何でもできそうな自分(躁)、ある時は重たい気持ちに沈み込んで動けない自分(うつ)。
まるで「心の舞台で主役が入れ替わる」みたいに、切り替わってしまいます。
 
例えば普段は「旅行に行けたらいいな」と思っているくらいなのが、躁状態だと「来週、世界一周に出る!インバウンドのビジネスも始める!」と宣言してしまい、航空券を購入してしまったりするんです。
 
 
一方で、ポジティブな一面も。
辛い部分は確かにあるけど、その分エネルギッシュだったり、クリエイティブな力を持つ人も少なくないです。歴史上の作家や音楽家、芸術家にも双極性障害」の人がたくさんいます。
要するに、
「ただの病気」じゃなくて、強烈な個性(別の自分)と共に生きること、それが双極性障害なんだと思っています。
 
詳しくは Wikipedia で!
 
 

 

双極症I型ってなに? 

 
双極性障害にはいくつかタイプがありますが、その中でも I型 は「躁状態」がとても強く出るタイプです。「うつ」もありますが、とくに躁が激しいのが特徴。
 
躁状態がどんな感じか?
I型の躁は、ただの「テンション高め」ではありません。
・ほとんど寝ないのに元気いっぱい
・しゃべり続けて止まらない
・自分は特別な力を持っている、と感じる
・計画がどんどん膨らんで実現可能か考えない
・お金を使いすぎる
・トラブルを起こす
 
周りからすると「別人になったみたい」と思えるくらい強烈です。本人もその時は主役が切り替わっていて、自分ではすでに自分をコントールできません。
 
うつ状態もやってくる。
I型は躁のインパクトが大きいですが、その後に深いうつ状態がやってきます。
・動けない
・気分が重い
・罪悪感に押しつぶされる
・躁でやらかした後にうつがくると、「なんであんなこと言ったんだ」「自分じゃない」と苦しむこともあります。
 
詳しくは Wikipedia で!
 
 

 

スティグマってなに? 

 
「スティグマ」って、難しく聞こえるけど、要は “偏見”や“レッテル” のこと。私は差別と思ってる。双極性障害を持っている人に向けられる「変な人なんじゃない?」とか「ちゃんと働けないんでしょ?」みたいな思い込みのことを指す。
 
こんなスティグマがある
・「気分がコロコロ変わる人」って思われる
・「甘え」や「性格の問題」にされる
・「危ない人」扱いされることもある
 
でも実際は、双極性障害は 脳の仕組みと関係するれっきとした病気で、その人の性格や努力不足で起こるものじゃない!
 

大事なのは、障害は「自分を縛るもの」じゃないってこと。むしろ「自分の一部」であり、そこから生まれるユニークさもあるんです。「調子の波」があるからこそ見える景色や感じ方もあるんです。
 
だからこそ、窮屈に感じるよりも、「この病気を持っているからこそ、自分にしかできない生き方がある」
そんなふうに考えてみませんか?
 
詳しくは Wikipedia で!
 
 

 

リカバリーってなに? 

 
「リカバリー」って聞くと、リハビリとか、元の状態に戻ることをイメージする人が多いと思います。でも精神的なリカバリーはちょっと違います。
リカバリーとは、「病気があっても、自分らしく生きる道を見つけ続けること」。マイナスをゼロに戻す作業ではなく、そこから先の「自分なりのプラス」を探していく姿勢なんです。
 
CHIMEフレームワークは、そのヒントになる「5つの軸」を教えてくれるもの。
 
小さな一歩を重ねながら、自分なりの「リカバリーの形」を探していく。私もその最中です。
 
 

CHIMEフレームワークって?

双極性障害を含めた精神障害のリカバリーについて、Leamy氏らの研究グループが提唱したのが CHIMEフレームワーク

  • C:つながり(Connectedness)

  • H:希望(Hope)

  • I:アイデンティティ(Identity)

  • M:意味(Meaning)

  • E:エンパワーメント(Empowerment)

 

CHIME以外にもリカバリーを考えるフレームワームはいくつかあって、CHIME-D:CHIMEに「困難や課題(Difficulties)」を加えたもの、POETIC:Purpose(目的)、Optimism(楽観性)、Empowerment(力)、Treatment(治療)、Inclusion(包摂)、Connectedness(つながり)など、研究や現場によって使われる言葉が少しずつ違います。

 
 
C: つながりと双極性障害
気分の波で人間関係がしんどくなることもあるけど、「ひとりじゃない」と思えるつながりがあるとリカバリーはグッと進みます。
・家族や友人がそばにいてくれること
・同じ病気を支える人たち同士とのネットワーク
・地域や職場での居場所
 

私は「心の安全基地」づくりを進めたい!地域のあちらこちらに双極性障害の人たちがつながりをもてる場所があったらいいなと思って仲間を募ってます。

 
H: 希望と双極性障害
うつのときは未来が真っ暗に見えるけど、希望は小さくていいんです。
「今日は外に出てみる」
「来週は好きなカフェに行く」
「将来また働けるかも」
そんな日常の中の小さな希望が積み重なることで、病気に負けない生き方につながります。
 
I: アイデンティティと双極性障害
「病気=自分」じゃない。
・ 好きな趣味や特技
・ 家族や仲間との関係
・ 夢や目標
これらを大切にすることで「病気に振り回される私」から「病気もあるけど自分らしい私」へとシフトできます。
 
M: 意味と双極性障害
双極性障害の経験そのものに「意味」を見つけることもリカバリーの一歩です。
・ 自分の経験を誰かの役に立てる
・ 表現活動や創作につなげる
・ つらい経験を通じて「人に優しくなれた」と気づく
苦しみの中からでも、自分なりの意味を見つけられると、前を向く力になります。
 
E: エンパワーメントと双極性障害
最後は「自分の人生を自分で選べる力」。
・ 治療や薬を自分で選ぶ
・ 「今日は休む」と自分で決める
・ 職場や学校で配慮をお願いできる
病気に支配されるんじゃなく、自分で選び、歩む。その感覚がエンパワーメントです。
 
 
詳しくは 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター のホームページで!
 
 

 

デエビゴってなに? 

 
デエビゴ(レンボレキサント)は「オレキシン」という“覚醒のスイッチ”をオフにして、自然な眠りに入りやすくする新しいタイプの睡眠薬。
眠りやすい状態をつくるのが特徴です。
 
2019年に日本で承認された比較的新しいタイプの睡眠薬です。
 
気をつけたいこと

  • 飲んだらすぐベッドへ ※ご飯を食べた直後は効きにくいので注意!

  • 翌朝、眠気やふらつきが残ることがあります(深夜の服用は避ける)

  • 変な夢や悪夢を見る人もいます

 
飲み方

  • 寝る直前に1錠

  • お酒とは一緒に飲まないで!(鎮静効果が過剰に)

  • 必ず医師の指示に従って、用法・用量を守り服用しましょう!自分の判断で量を変えたり、中止したりしないように

 
詳しくは エーザイ株式会社のホームページで!
 
 

 

睡眠と双極性障害 

 
 
双極性障害の気分の波は、「眠りのリズム」と深くつながっています。

  • 眠れない日が続く → 躁状態に入りやすい

  • 寝すぎてしまう → うつ状態に近づきやすい

 
だから双極性障害の人にとって、睡眠はただの休息じゃなくて、気分を安定させる大事な薬みたいなもの。
 
 
睡眠を守る3つのコツ:

  1. ・寝る時間と起きる時間をそろえる

  2. ・寝る前はスマホ・PCを早めにOFF

  3. ・お酒で眠ろうとしない

※寝つきは良くても眠りが浅くなって逆効果
 
決めていたタスクを終わらせたなら、やり続けたい衝動があっても、明日ここからやる、とか決めて携帯いじるのを辞めるように心がけてる。
 
 
 

 

日記・気分表と双極性障害 

 
日記はただのメモじゃなくて、自分の気分の波を“見える化”する秘密アイテム!
 
双極性障害のやっかいなところは、気分が上がったり下がったりすること。
でもね、その瞬間の自分は「これが普通」って思っちゃうから、あとで振り返ると「いつから調子が崩れてたんだろう?」ってなることが多いんです。
 
📔 日記があるとこんなに便利!
・あとから見て気づける
 → 「あれ、ここから眠れてなかったんだな」って自分でも分かる。
・お医者さんに説明しやすい
 → 「先週から夜3時間しか寝てないんです」って言えると診察がスムーズ。
・予兆キャッチができる
 → 早めに「そろそろ危ないかも?」ってサインを見つけられる。
・自分を責めなくてすむ
 → 「この時期は躁だったんだ」って分かれば、“自分の性格のせい”じゃなくて“病気の波のせい”と受け止められる。
 
✏️ 気軽に書ける日記のコツ
・「気分を10点満点で」って数値だけでもOK
・「今日はよく寝た」「買い物しすぎた」みたいに一言でもOK
・ 紙のノートでもスマホアプリでも、自分が続けやすい方法で
 
 私のおすすめはアプリ「毎日まめ」。
 
毎日まめ のiPhone版はこちら!
毎日まめ のAndroid版はこちら!
 
 
 

 

世界双極性障害デーってなに? 

 
世界双極性障害デー(WORLD BIPOLAR DAY) は、
「双極性障害って特別なことじゃないよ。世界中に仲間がいて、理解してくれる人がいるんだよ」って伝える日
 

3月30日?

実は、画家の フィンセント・ファン・ゴッホ の誕生日だからだそうです。
ゴッホが双極性障害だったと考えられていて、彼の芸術と人生をきっかけに「病気と創造性のつながり」や「偏見・スティグマをなくそう」という思いが込められています。
 

私は、サポーターの皆さん同士が縦横に繋がって、「子どもの居場所づくり」活動のように、地域や業種業態で相互に連携できる場づくりをしたいですね。 

 
詳しくは WORLD BIPOLAR DAY のホームページで!
 
 

 

警察と双極性障害(躁うつ病)

 
双極性障害(双極症I型)の私が躁転して警察に補導されたら、どうなると思いますか?
 
ほぼ確実に「薬物乱用者」として扱われます。
 
躁のときに出やすい特徴はこんな感じです:
・異常にテンションが高い
・早口でしゃべり続ける(多弁)
・根拠のない自信や誇大発言が出る
・攻撃的になったり、警察に食ってかかったりする
・睡眠不足でも動き回れる
 
これ、覚醒剤やコカインの症状と本当に似てるんです。だから警察から見ると「薬物反応だ」と誤解しやすい。結果として、(実際はすぐ病院で処置が必要でも)警察署で長時間別々に留め置かれて、適切な治療が遅れることになります。
 
さらに悲しいのは、そばにいた友人や彼氏の扱いです。警察は「薬物乱用者」の共犯者扱いのような反応をし、別々に拘束されることになってしまいます。また、友人や彼氏が「彼女は双極性障害を発症したのですぐに病院に連れて行きたい」と言っても、家族じゃなければ取り合ってもらえない、という現実があります。
 
だから私がやっていること:
・「精神疾患・緊急時支援者連絡カード」を自作して、携帯ケースに入れていつも持ち歩く。
・バッグには診察券と診断書のコピーを常備している。
 

<対応マニュアル(実践編)>
1. 街中で躁転したら、まずは警察に駆け込む(実は、被害を最小限にできる可能性が高い)。
2. 警察に「精神疾患・緊急時支援者連絡カード」を見せる。
・「警察署で長時間留め置くと症状が悪化します。早急に主治医と連絡をとって入院につなげてください」と伝える。
 
あと一工夫:
遠方の家族よりも(すぐ来て病院に連れて行ってくれる)彼氏に頼みたいので、「医療に関する代理権の授与」契約書を用意して警察に見せています。
(今のところこれが効く場面が多いです。ただし法的にはグレーなので、正式には婚姻手続きをするのがベストです。意思能力がある旨の診断書と同日の確定日付がついた書類を用意してあるので、見た目は“オフィシャル感”が出てます。)
 
 

海外では「精神科救急チーム」が警察と連携して現場に出動する仕組みがあるそうです。これからいろいろな方々と繋がって、法的整備などについてロビー活動なんかもできるといいのですが。。。

 

 

病院と双極性障害 (躁うつ病)

 
私が思う、通いたい病院について整理してみました。
   
まず、双極性障害の診断って難しいんです。なぜかというと・・・
 
1. うつの顔をして診察に行く
双極性障害の多くは、最初に「うつ状態」から始まります。だから病院に行ったときには「典型的なうつ病」にしか見えないんです。実際、最初は うつ病と診断されてしまう人がすごく多い。
 
2. 躁のエピソードを先生に伝えない
躁状態のときって、本人は「調子がいい」「元気すぎるけど悪いことじゃない」と思っていることが多い。だから医者にわざわざ「実はハイになってしゃべりすぎてました」なんて言わない。結果として、躁の部分が伝わらず、うつだけ見えてしまうんです。
 
3. 症状がバラエティ豊か
躁といっても「ハイテンションで大騒ぎするタイプ」から「ちょっと活動的でおしゃべりになる程度」まで幅広い。うつも「完全に動けない」から「ちょっと気分が落ち込む」までさまざま。つまり 診断の“型”にピタッと当てはまらないことが多い。
 
4. 時間がかかる
双極性障害は「波が出たり引っ込んだり」する病気。1回の診察や数週間の観察じゃ全貌が見えないことが多いです。長い時間をかけて経過を追ってやっと診断できるケースが珍しくありません。
 
5. 専門医の経験がものをいう
気分障害に詳しい医師だと、「このエピソードは双極のサインかも」と気づけます。でも一般的な精神科医は、患者さんの限られた情報や時間の中で判断するので、どうしても「うつ病」と診断しがちになるんです。
 
そのため、最初から専門医との長期的な連携を見据えて 病院を選ぶのが良いと思います。
 
 
通いたい病院の要件1.
専門医・チーム医療がある
気分障害に詳しい精神科専門医 がいて、さらに心理士・看護師・ソーシャルワーカーがチームでサポートしてくれる病院はとても心強いです。
 
通いたい病院の要件2.
血中濃度をきちんと測ってくれる
気分安定薬(リチウム・バルプロ酸など)は、効く量と副作用が出る量の差が小さい薬。定期的に採血して、血中濃度を測定してくれる病院 は安心です。
ただ薬を出すだけじゃなく、数値を見ながら安全にコントロールしてくれることがポイント。
 
通いたい病院の要件3.
入院できる体制(閉鎖病棟の有無)
躁状態やうつ状態が強くなり、命の危険や社会生活への影響が大きいときには入院が必要になることも。
閉鎖病棟がある病院 は、危険から守りながら治療を進められるので安心です。
急な悪化に備えて「いざというとき入院できる場所」があるのは大きな安心材料。
 
 

 

衝動買いと双極性障害(躁うつ病)

 
双極性障害の特徴のひとつに、躁転のときに「気分がハイになってお金をバンバン使ってしまう」ことがあります。

普段は節約派なのに、気づいたらネットショッピングのカートがパンパン…なんてことも。でも大丈夫。ちょっとした工夫を 生活習慣にしておくだけで、かなり予防できるんです。
 
🛒 おすすめの習慣
1. 買い物は現金で!
クレカは便利だけど、躁状態のときは歯止めがききません。現金なら「今、財布にある分だけ」とブレーキがかかりやすいんです。
 
2. 家計簿をつける
アプリでもノートでも、自分が続けやすい方法でOK。
 
3. 口座を分ける
生活費用の口座と、自分のお小遣い用の口座を分けておくと安心。生活費に手をつけずに済むので、躁転中の“暴走買い物”から守れます。
 
躁転のときのお金の使いすぎは、本人も後からつらい思いをしがち。だからこそ、「普段から予防できる仕組み」を生活の中に入れておくのが大事なんです。小さな工夫で、大きな安心。
未来の自分を守るために、今日からできることを始めてみませんか?